練習とレッスンの関係
盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」
2025年5月8日のブログです。
私の個人的な考え方、感じ方を書いてみます。
「あまり練習してこれなくて・・・」と、レッスンの初めにつぶやいてしまうこと(心の中であっても)、普通の人であれば、あることだと思います。
それは、「せっかくレッスンして頂くのに、進歩していなくて先生に申し訳ない」という気持ちもあるし、「ああ、今日はあまりうまく弾けないだろうなあ」という、後悔というとあまりに大げさですが、準備不足で先生の前で弾く時間が来てしまったことへの、もやっとした気持ちとかでしょう。
もうすでにここまでで、答えはでているのですが「練習とレッスンは、その生徒本人にとってのみ、大きな関係がある」ということです。
教える側からしますと、その日、その生徒さんの演奏からどんなものが出てきても、「そのことに対して精一杯のアプローチをするだけ」であり、その方法は、無限レベルにあるので、練習がどうだったか、という過去のことは、とりあえず気にせず、今に集中してレッスンに臨むからです。
とはいえ、一つ気を付けているのは、演奏に進歩が見られなかったり、譜読みが進んでいない時、「今週の練習はどうでしたか」と、たずねることはします。理由は、「その人なりに練習を頑張ったつもりでも、なかなか前に進めなかった。あるいは先生の前で緊張している。」という場合があるかもしれないからです。特に、初歩の場合や、あまり器用ではないお子さまには、あることだと思います。
私自身のものさしを、常に当てないように気を付けているつもりです。
まあ、ぱっと聴けば、その週、ピアノとどの程度関わってレッスンにいらしたのかは、だいたいわかりますが、その自分の判断に自信を持ちすぎないように気を付けています。本当に、みんな、一人一人違うのですから!
ということで、日々の練習というのは、次のレッスンを気持ち的にもより快適に、そしてより収穫の多い時間にするため、自分自身のために行う、という面を忘れないでおいてほしいです。(練習ができず、前の週と同じようなことを先生に言われたとしたら、そのときは、大事なことがより強くインプットされた、と、ポジティブにとらえましょう。)
レッスンの時間を目標にして一週間練習する、というのは、ごく当たり前のようですが、「先生に怒られないように」とか「先生を不愉快にさせないように」という気持ちが、一滴でも混ざると、ピアノの勉強の本質が、濁ります。
最近のピアノレッスンは、私も含め、練習について、推奨はしても、厳しく強要しない先生の方が多いと思います。皆さんお忙しい時間を割いてピアノを習っていることを知っているからです。だからこそ、いま、何をどれくらい練習することが本当は必要か、ということを、その気があるなら、積極的に先生に尋ねてみればいいと思います。(はじめから先生が厳しい場合を除いての話です)
短期的に無理に頑張ってピアノに挫折するよりは、のんびりでも長く続けた方が、後々のピアノ人生には良い成果が残ると信じています。(もちろん、のんびりと言っても丁寧な基礎の勉強あっての話です)しかし、練習とレッスンの関係に無頓着なまま、なんとなくずるずる、というのはもったいない。
練習がうまくできた時、そうではなかった時、色々な場合のレッスンでの気持ち、体験を重ねて、その後のピアノ学習に役立てていってほしいと思います。
ピアノ練習、レッスン、それらに対して精神的に自立する、ということが大事だと思います。