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情報と実践

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2021年9月12日のブログです。

情報を得れば、それは自分のものになるのでしょうか?

多くの情報を手に入れることが容易になった今、なんだか考えさせられるのです。

知識として、という意味では、そのことを知って記憶している限り、言葉にして出すことは可能かもしれませんが、果たしてそれが「自分のもの」と言えるか、と、考えてみると、どうでしょう。

教師が、自分のものになっていることを伝えるのと、そうでないのとでは、目に見えない何かが大きく違ってくるよなあ、と、最近感じます。

情報を得た、というだけでは、一歩も踏み出せていないと思います。得た情報をもとに「実践」し続けていくことで気付いていくこと、この積み重ねこそが、その人の財産になり、教える側であれば、この実践の積み重ねこそが、生徒さまに対して胸を張っていられる唯一のものだと思います。

かつて「昔ピアノを長く習っており、音楽の専門教育を受け、教師の免許を持っている」人間として、ピアノ指導をスタートさせたころの、もやもやとした「不安」「自信のなさ」が何だったのか、いまははっきりわかります。

それは、「実践を続けていない」ことからくるものだったと。

一人で実践して限界を感じたら、色々な先生に教えを求めてみる、それでいいのでは、と思います。誰それ門下、とかいうことではなく、「個」と「個」のつながりとしてのレッスンが、私の理想です。

実践は、できるできない論ではないのです。むしろ「自分が実践を続けて、なかなかうまくいかなかったこと」「すぐには結果が出なくても続けていたら見えてきたもの」などは、生徒さまたちへのアドバイスの大きな柱にもなりえます。

コンクールやコンサートのあとで、講評、感想を頂くことも「情報」です。私も、かつて、多くの「情報」を頂いてきましたが、その後に長い「実践」を重ねて初めて、「そのときの情報」とつながるというか。そんなようなものだ、と、思うのです。

情報を「得ること」と情報を「発信すること」の間に、たくさんの「実践の時間」を持てるよう、ますます意識していきたいと思います。