手に入れたかったもの
盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」
2022年5月13日のブログです。
自分が欲しているものが何だったのか、手に入れてから、あ、これだったんだ、と知るということがあるのだと、最近感慨深い思いになります。
正直、ピアノを教えていますと、教師としての自分自身がどのくらいのレベルなのかということを無視して教えていけませんし、特に若い頃は、「数えきれないほどのピアノの先生が存在する中で、なにかしらの努力をし、周囲に認められていかなければならない」との思いもあった気がいたします。その考えはまっとうだと思います。
しかしここで、「認められる」というところに長い間フォーカスしていたなあと思うわけです。
しつこい言い方になりますが「誰かに、何かで、認められた自分」を見て、さらに誰かが認めてくれる、あるいは一目置いてくれる、という。世の中そういうものだと感じていたので「認められる」ことを目指していたのかもしれません。
人とのご縁は大切です。でも、そのことで自分の演奏が簡単に変わったりはしません。自分の演奏が本当に変わらなければ、説得力のあるレッスンにはならない。
素晴らしい演奏を聴いても、レクチャーを受けても、それだけでは、勉強にはなっても技術は変わらない。だから、本当に進歩したかったら、ある意味、ちゃんと孤独にならなければならない、と、色々な場所ではっきり思いました。
それからいくらか時を経て、今ピアノに向かい思うことは
手に入れたいのはこういうことだったんだ、ということ。ほんの小さなものでも、あっ、私が欲しかったものはこれだったんだ!と思えるって、本当に本当に幸せなことです。そして、手に入れた小さなものを大切に磨いて生きていきたいと感じています。
大きくする、というより、磨く、という感覚です。なぜならそれは、たくさんの人に認めてもらうためのものではないから。
練習においても、レッスンにおいても、ミチコピアノアカデミーになってから、新しく生まれ変わっている感じがいたします。
ピアノって素晴らしいですね。すごい楽器だと思います。物事の感じ方さえ変えてしまう力があるんだなあと。
これからが、ますます楽しみです。