操る

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2022年2月27日のブログです。

ピアノを弾く、ではなくて、鍵盤を操る、というほうがしっくりきます。

操り人形みたいなかんじ。

鍵盤に指をおいて、静かに下ろすと、音の鳴るタイミングの場所があります。逆に鍵盤を下まで下ろして音を出した状態からゆっくり上げていくと、音が鳴らなくなる瞬間があります。どちらも鍵盤の中です。

鍵盤の中を操る。それが、音色や響きや表現につながる。

鍵盤の中の上がり下がりを操るためには、身体はどうあるのがふさわしいのか、良い奏法を身に付けるってそういうことなんだと身をもって感じるところまで、やっとのことでこれました。

もっと素敵な演奏がしたい、あるいは、ゼロからでも、これから素敵な演奏を目指して練習していきたい、という気持ちがあるならば、ピアノという楽器の性質について、ある程度知って勉強していくと、楽しく納得しながら進めていけると思います。

一律に鍵盤をバタバタと素早く下ろし続けることができても、音もその動きに応じてバタバタと出てきます。粒をそろえる、という言葉の意味についても、いま一度考えてみると、あれ、本当にそうかな、と、疑問に思うことも出てきます。

操る、というと、なんとなく神秘的なイメージもありますが、実際にピアノという楽器が本来持っている響きは、そんな言葉がふさわしいのかもしれません。巨匠の演奏、あるいは、素晴らしい奏法で演奏しているピアニスト、などは、動画で見てもそんな感じが伝わります。

たとえ凡人でも、良い奏法を身に付ければ、みちがえるほどの演奏になることは確かだと思います。

鍵盤に対する認識、「鍵盤を下ろすと自然に上がってくる」というピアノの構造自体の理解なしに、さあ指を動かしましょう、ということだけではないです。楽しくどんどん弾くことはもちろんいいのですが、鍵盤の観察についても、ほんの少しでも意識していくと全然違うと思います。

グランドピアノ、アプライトピアノ、電子ピアノと、どれも構造が違うということを理解したうえで、練習の時、レッスンの時、と意識しながら学んでいけると良いと思います。普段グランドピアノで練習できなくても、レッスンの時に「感覚が普段と違う。どこがだろう?」と、鍵盤の感触に、響きの違いに、ちゃんと意識がむけば良いと思います。

どんなピアノでもお構いなしに鍵盤をひたすら追う、ということにさえならなければ、大丈夫だと思います。