「断言」できない
盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」
2020年12月29日のブログです。
何事にも言えることだと思うのですが、私の知る限り、多くを学んでいる方ほど、きっぱりとは断言なさらない気がします。「私はこうだと思うよ」とか「こうなんじゃないかなあ」とか、そんな言い方をなさいます。
じゃあ自分はどうだろうと考えてみた時、若い頃は、何もわかっていない自信のなさから断言などできず、勉強をするようになってからは、未知の領域があまりに多すぎて断言できず、さらには相手(例えば生徒さま)の思惑や受け入れ態勢、そして発言による「影響」を考えると、とてもじゃないがいまだに断言などできません。
「最大限、自分の発言に責任を持とうとする」からこそ、断言できない、ということになっているのかもしれません。言葉の語尾、というのは大切だと意識しています。
この音はドかもしれないし、レかもしれない、という意味のことではもちろんありません。
・・・たとえば練習のしかた、たとえば音楽の解釈、弾き方について、等々、答えが多数あるようなものを扱う仕事である以上、「ここはこう弾きます」とか「ここはこうしなさい」のような発言は(たとえそのことが一例として間違いではないにしても)危険だと感じます。
教師も勉強し続けていけば、「あの時ベストだと思っていたことが違った」とか「こんな素晴らしい方法があったのか」ということは当然起こります。そうなることが未来に起きる「前提」で発言しますし、間違いとまではいかなくても、過去に伝えたことを訂正したいときは、そのとおり生徒さまに伝えます。
誠意を持って学び教えると、そうなっていくしかありません。
大概の生徒さまは、先生に敬意を持ち、全面的に信頼しておられるはず。だからこそ、教える側が自分で気を付ける以外にないなあと思う次第です。
・・・このブログももうすぐ1周年を迎えます。そして教室25周年でもあります。こうしてブログを綴るようになって、気づけたことも色々ある気がします。もともとは、「より生徒さまに集まって頂きたくて」立ち上げたホームページであり、ブログでした。ホームページ立ち上げの時お世話になったアドバイザーの方には「これでは集客につながらないブログだ」と、お叱りを受けてばかりでした(たくさんの貴重なアドバイスを頂きました)。でも、自分はやはり「一人の音楽人として思うこと、経験したこと」を発信することしか、今のところできません。
そんな私ですが、この教室にお問い合わせ下さり、現在教室の仲間になってくださっている方々との出会いに恵まれた一年でした。
レッスン内容としても、私の目線になりますが、現在は、これまでになくバラエティに富み、自分が過去に積み上げてきたものを発揮させていただく機会に恵まれていると感じます。今年は、歌の会「ひなぎく」も仲間が増え、このような状況下での練習人数の関係から「ひなぎくB」として練習をしています。ミュージカルクラブの活動も楽しかったし、細く楽しく活動してきた杜陵コーラスのメンバーもいつの間にか20名をゆうに超えました。
小さな力でも、何か誰かのお役にたてることを願い、来る年も、精進してまいりたいと思います。