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見えている風景

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2020年8月6日のブログです。

同じ時間、空間のなかにいて、同じものを見たり聴いたりしていても、そこに見えている風景は、人それぞれだということ、皆同じではない、という当たり前のことを、この頃ますますはっきり感じるようになりました。

みんな違う風景を見ているとのだいうシンプルな根っこをしっかりわかっていれば、意見や考えが違っても「相手を理解する」ことはできます。自分の考えや感じ方がすべてではない、ということを、軽やかに実感できるようになってきました。

いま、相手に見えている風景をできる限り想像し、そこに寄り添おうとすることは、物を教える人間としてはとても大切であると思います。でも、できることはあくまで想像するというだけであり、実際には、厳密にはわかりようのないことだから、あえてこちら側が「自分に見えている風景」を示して「わからなくてもいいから聞いてください」という気持ちで提示してみてもいいと思います。案外、なにかしら伝わったりするものです。

言語化がうまくできません。わかりにくかったら、読み流してください・・・

精神的、技術的に、相手を引き上げる、という使命が、教える側にはあると思うから、レッスンでは、時折そういう強いエネルギーをださなくてはいけなくて、それって、自分目線で音楽に向かう時に一番出ているはずなので、わたしは、生徒に、レッスン終わりなどに、いまの演奏を聴いてもらうことを時々します。意味があるように感じています。

「わかっている人間がまだわからない人間に教える」という感覚になってしまうと、たちまち相手の可能性を狭めてしまうように思えるのです。言語化するのは難しいことですが、あえて書いてみました。

指導、というのは、なんと奥が深く、面白く興味深いことでしょうか。