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「方法」を教える

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2021年1月18日のブログです。

レッスンというのは色々なあり方があると思うのですが、私自身がとても大切にしていることの一つが「方法をお伝えする」ということです。(もちろん、自分にできる範囲のことになります。)

100回練習して、すらすら弾けるようになっても、音色は変わりません。自分なりに多少何かしら身体をくねくねさせてみたりしても、大きな良い変化には至らない、ということもあるでしょう。

イメージが貧困だからだ、という結論を出して、曲の考察を深めるのは素晴らしいし必要なことだけれど、それで、がらりと音色が変わる、というのも、難しいと思います。(もちろん、考察を深めることで演奏そのものの様子が変わる、ということはあると思いますが)

先生の指導で、歌いまわしを色々変えたり、タッチを変えたりしてみると、だいぶ格好はつくと思いますが、「曲の格好がつく」ことと「自分で様々な音色を奏でることができ、ふさわさしい表現を選んで曲にする」ことは、大きな違いがあり、後者は、方法を教わった上でコツコツ積み重ねて得られるものです。

・・・目に見えない、形のない音楽だからこそ、「現実を直視する(本当に出ている音を聴く)」ことから目を背けず取り組んでいくことが大事だと感じます。それは、奏者が音楽の気分に浸っているだけではできないことであり、また、「聴く側に音楽の気分に浸ってもらえるためには」必要な意識だと思います。

イメージを持って演奏する、という言葉は悪くないかもしれないけれど、都合よく使うこともできるので気を付けて使っています。

「なんとなくの雰囲気」だけではなく、具体的な音色、音質をイメージできるためには、色々な音色を聴いたことがある必要があります。まずは、具体的な「音そのもの」の様々なイメージを生徒さまに持っていただくため、指導者として、まだまだ訓練をつんでいかなければ!と思っています。

演奏する人間としては、自分のイメージを理解してもらおうとするのではなく、「聴く側が自由にイメージを膨らませることのできる演奏」を、生涯目指していきたいと思っています。

目指すものがあるから、歩いていけます。