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進歩の過程

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2024年2月13日のブログです。

ピアノを始めてすぐにどんどん弾けるようになっていくお子さまも、世の中にはたくさんおられるのかもしれませんが、私がこれまで見て感じてきたことは「普通のこどもが自分の力で楽譜を読み、ピアノという楽器と仲良くなって自分で練習がしっかりできるようになるには、それなりの時間が必要だ」ということです。

ごく普通のお子さま、ゆるゆるとした日々の練習でレッスンを続けている場合、最初の2年から3年くらいは、じっくり基礎を積み上げるという気持ちでレッスンをさせて頂いています。教材は、同レベルの違うタイプをいくつか併用しながら様子を見ていきます。決して焦らず、しかし妥協なくすすめていくという感じです。レッスンにおいては、できたできない、というより「とにかくやる」というイメージです。

教材選び、また、教材の内容の扱い方も、四角四面にとらえず、その子の状況に応じた選択を心がけています。

特に小さいうちは、大事なことは完成度ではないと思っています。レッスン曲を色々な観点で見たり感じたり遊んだり?という自由な発想、柔軟な姿勢も意識しています。コンクールなどのために、短い曲を長々と練習し続けることは、あまり小さいうちは、はたしてどうかな、と、今は思っています。

コンクールや発表会の時だけ少し背伸びをした曲が弾けるようになっても、実は自力での譜読みが今一つできていない、ということもあるようです。一つの曲を形として弾けるようになるかどうかだけではなく、簡単なものの数をこなしながら、読譜力をつけていくということに焦点を当てています。

進歩の過程は、地味なものですが、ピアノの本当の楽しさというのは、この過程抜きではたどり着かないと思います。昔のように「ピアノの練習は辛い」というイメージの「過程」ではなくて「楽しいレッスンの積み重ね」としての過程です。

レッスンでの情報ありきで家での練習ができるのです。レッスンというのは、練習してきたことのマルつけの場ではなく、逆に「今後の練習のやり方、たくさんのコツを知ることができる有益な時間」なのです。