納得するということ

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2021年5月13日のブログです。

「納得する」ということは、とても大事なことではないでしょうか。

コンクールの結果に納得いかない、なんてよくあることかもしれませんが、これは、あてはまりません。芸術系のコンクールにおいてはそもそも万人が納得する結果などあるわけないのですから、ここでいう納得には関係ないです。納得いかなくても当然、ぐらいでいいのではと思います。

また、教わる側は「納得」もなにも、「未知のこと」を学んでいるわけですから、先生の言うことを信じていくしかないわけです。もちろん、先生の人柄、あるいは演奏、あるいは経歴などに納得して通ってきているのだとしても、教わる中身については、「信じてついていく」しかない。わからないのですから。

ここで言いたい「納得」は、教える側のことです。

自分自身の体験で「ほんとうに納得できて」いることと「昔教わったことそっくりそのまま」が、果たしてイコールであるか。人によって様々な違いはあるにせよ、自分の出す音、自分自身の演奏でもって日々検証しながら教えていく責任は、大いにあると思います。

上級になればなるほど「生徒本人の資質」に頼ったレッスンにならないよう、しっかり教師自身の見る目聴く耳を育てていかなくてはなりません。

私自身、色々納得できてきて変わってきたことは、自分に自信がもてるようになったことです。これは心の中の問題です。さらに、自分の考え感じ方、演奏においても、以前よりのびのび表現できるようになりました。そして不思議なことに、違う奏法（もともと学んできた奏法）や、違う意見などに対しての理解も逆に深まってきたように思うのです。これは意外なことでした。

そしてまた、誰かを納得させよう、とも、思わなくなりました。ただひたすら、今最善だと思うことを表現していくのみです。指導も、そして演奏も。

自分自身を磨き上げることに精を出し、たまたまそこに賛同して下さる生徒さまを、これからも、心からの感謝を持ってお迎えしていきたいと思います。