奏法について


様々な物事に通じることですが、身体をどのように使うかによって、ピアノの演奏も、色々な違いが出てきます。

「奏法」という言葉を使うと難しく思われるかもしれませんが、そのようなことは全くありません。むしろ、「奏法の違い」について、簡単にでも知っておくことは、非常に有益であると思います。レベルなど関係なく、ご自身の身体を使ってピアノを弾くからには、全然知らないよりは知っている方がいいのではと思います。(奏法に正解、不正解があるわけではなく、身体の使い方が違う、ということです。)

自分が好ましいと感じる演奏が、どのような奏法による演奏か、ということを知るのは興味深いことですし、ピアノ演奏を学ぶ上での参考や、ヒントにもなります。

私自身、これまでたくさんの良い先生に教えを受けてまいりましたが、ロシアピアニズムに出会うまでは、「奏法」の種類について教わったことはありませんでした。つまり、基本的には同じ奏法を教わってきたということです。(もちろん、様々な角度で良きアドバイスを頂いてきました。そして同じ奏法でも先生が変われば教え方も色々です。)

長いあいだ、別な奏法があるとは知りませんでしたので、できないことはすべて、自分の能力、練習量、センス、そして生まれ持った手や体のせいで、仕方がないことだと半ばあきらめつつ、あきらめきれずにもがいていたように思います。

しかし、現在学んでいる奏法に出会い、具体的なレッスンを直接受けていくうちに、「そういうことだったのか」と、多くの疑問が解消できていきました。これまでの悩みが「才能の欠如によるものだけではない」とわかったことが、最も大きな救いでした。少しずつですが、聴こえかたが変わってきており、やるべきことが明確にみえてきました。大野眞嗣先生の提唱する、この『ロシアピアニズム』に大変救われ、納得できております。年齢を重ねても身体に負担なくピアノ演奏を楽しみ、かつ、学べば学ぶほど、音そのもの、演奏そのもののクオリティーを上げていける、素晴らしい学びだと思います。

ピアノ演奏を生涯楽しむ方が増えている今、演奏の好みはどうであれ、奏法について研究する意味はおおいにあると感じています。私ごときが奏法云々を論ずるのは、おこがましいと感じますが、それでも、何も触れずにいるよりは、考えだけでもと思い、非常に簡単にですが、述べさせて頂きました。

生徒さまのピアノライフに、ささやかでも何かお力になれれば幸いです。