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本当の音をちゃんと聴く

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2023年1月28日のブログです。

今、出ている本当の音、響き、これをちゃんと聴くということ。とてもとても大切ですね。

どんな音が出したいか、ということをイメージするにしても、普段から現実に出ている音を聴き切るということをする習慣が必要。このことをおろそかにしていると、弾くことが達者でも、どこか一本調子な演奏に聴こえてしまいます。私自身も長い間そうだったと思います。

強弱をつけるとか、そういうことだけでどうにかなるものではない、演奏の土台となる音の出し方、これが最も大切、ということに確信を持つと、根本的な技術の重要性がより感じられます。自分の練習の仕方も変わっていきます。聴こえていることに応じて、練習の内容、仕方が変わってくるわけですね。

本当に不思議ですが、耳というのは変わっていけるものだと体験しています。

良い響き、彩りのある響きの演奏には、心を込めるとかそういう精神論だけではない、明らかな技術的根拠があるのです。音の違い、響きの違い、このことに意識を向けることを続けていくうちに、聴こえ方感じ方が次第に変化していき、曲の練習の仕方も自分で少しずつ変えていけるのだと思います。

また、響きの違いについては、ピアノを弾ける人がよく聴こえているとは限らず、たとえば、付き添いのお母さまだったりとか、初心者でまだ弾けない状態の方でも、はっきりわかってくださることが多いです。弾くということに意識がいかないからかもしれませんね。

ピアノを弾く人は、人の演奏を聴く時も、どこか、弾けている弾けていない、というところを見て感じてしまうぶん、音符を聴いてしまう面があるのかもしれないな、と、思う次第です。

指を脱力して、しかるべき支えを持って出した音、指の関節を固めて鍵盤に垂直に下ろした音の違い。また、音の向かう方向なども。

どんなふうに弾いても自由ではありますが、少なくとも、教える立場としては、こんな風に弾くとこういう音が出る、こんな風に身体を使うとこんな良いことがある、ということ、自分が教わってきたことで生徒さんがまだ知らないことを、これからもどんどんお伝えしていきたいと思っています。それがより良くできるための鍛錬を続けていけることを願っています。

特にも、音を出すというのは、鍵盤に入って終わりではない、という部分について、どのレベルであっても丁寧に学んでいきたいところだと思っています。ピアノって本当に素晴らしい楽器です。この頃、そのことがより一層感じられてきました。

コントロールできることは何か、コントロールしようとしてはいけないことは何か、こんな風に考えてみても、奏者により意見は分かれるところかもしれません。だから面白い。演奏で、楽器のとらえ方そのものを表現している、というのがピアノでもあるんじゃないかなあ。これはピアニストのレベルの話ではありますが。

曲はもちろんだけど、それ以前の部分がまずは大切。

鍵盤のこと、身体のこと、身体と言っても部位はいろいろあります。こういった様々なことにちゃんと意識を向け、いつも、自分のベストな演奏を更新していけるよう、楽しく学んでいきたいですね。

ピアノというのは、練習の時間が本当に楽しいものなのです!