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見つめるべきは

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2021年5月19日のブログです。

初めてピアノを教えさせて頂いたとき、まずは自分のたどってきた道しか情報がなかったため、自分が使った教材と同じものを使い、同じように、レッスンしていたと思います。

今思えば、あの頃は、そろいもそろって、まずまず優秀なお子さまたちだったこともあり、一見すんなりとレッスンを進めていましたけれども・・・右手、左手、と、指を教えて、弾けたら合格、次に進める、とやりながら、ものすごい焦りのような気持ちに襲われたことを覚えています。

「一体、何を教えればいいんだ?」と。

音の読み方を教え、鍵盤の位置や指の動かし方を教え、リズムや音の間違いを正し、教材を進める・・・これは、果たしてピアノのほんとうの指導といえるのだろうか、と。絶対限界がある、と。

その後、情報を集めながら様々勉強していくことになるわけですが

教え始めてすぐに感じた直観、のようなものは、結局今も健在で、この20数年の間に、わずかながら納得できてきたこと、大いに飛躍してきたこと、色々あり、あの感じ方は間違っていなかったと思う次第。

「ピアノを教えるということは、生徒に向かうだけではなく、自分自身がピアノそのものに向かい、ピアノをちゃんと知ろうとし続けなければいけないんだよ、だから、これから自分自身の演奏を1から学ぶつもりで勉強していけば、今よりは深いレッスンができていくはずだよ。小さい頃から習っていたから教えられる、という単純なことではないから、得られていく喜びも大きいんだよ」

と、20数年前の自分が目の前にいたら、声をかけてあげたいです。

見つめるべきは、自分自身の立ち位置。ピアノや音楽に対し、今、どういう立ち位置でいるか。それは、変化してもいいと思いますし、人生の中で変化していくものなのかもしれません。でも意識し続けることは必要だと感じます。たいそうなことなど何もなくても、今どういう気持ちでピアノと関わっているか、だけでも良いのかな。

一度先生になってしまえば、あとはずっと先生でいられるからこそ、自分だけは内面を見つめ続けなければと思います。