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出会い 別れ 再会

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2024年4月9日のブログです。

若い頃と今の違いは、長く生きてきた時間のぶん、人との出会いと別れを経験してきたこと。それは、家族や身内、友人、仕事の関係、すべてです。人との出会いのたびに刺激を受け、関わり合いをもち、そして時を経て、ご縁が遠くなったり、お別れしたり様々。

最近、「驚きの再会」が続いていて、どれも、音楽をしていなかったら出会うことのなかったご縁です。

たとえば、お会いしていなかった10数年の長い時間を振り返るお話を互いにしながら「ああ、私は音楽を、ピアノや歌を学びながら、教え教わり演奏しながら生きてきたんだ」と、再確認したりしているところです。

ピアノの先生として、を越えて、一人の人間として音楽とともに歩んできたのだなあと思います。音楽以外の、日々における様々な人生経験と、音楽にまつわる経験、この二つの過去の川の流れのようなものが別々に自分の中にあります。

人生で出会った人すべてと、きっちりつながりながら生きていく、ということなどありえません。想像するだけで、鎖につながれているようです。

だからこそ、意図しない再会、というものに、意味を感じます。

仕事をしていく上で、生きていく上で、人さまとのご縁は大切ですが、そういう意味ではなく、自分、という軸をしっかり保ちながら関係を作っていける人数というのは、そう多くはない、と、私は実感しています。だから、縁を切らないためだけに連絡を取り続ける、ということは、わたしは、ほとんどしません。

人は皆、それぞれの人生があり、周囲に起こる出来事、避けられない事情も、変化していきます。ですから、その時にお互い必要な人、も変化していきます。たくさんの経験を経ながら、人としての考え方、感じ方、心も変化していく。同じ人と何年も関われる、という場合、変化しながら再会し続けているようなものだとも思います。

人生後半を生きる醍醐味は、「人の背景」というものに意識が向くようになったことです。背景があって、その人がいる。自分自身もです。生きている限り、背景が増えていく、または変化していく。

人と対し、親しく話していても、相手のほとんどの部分はわからないのです。わかる必要もありません。だからこそ、せめて、その瞬間、心を開いて、格好をつけず、できるだけありのままで、今ご縁のある方々と交流していきたいと感じています。