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背中から!その2

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2025年4月16日のブログです。

昨日、背中についての気づきをメモしましたが、その補足的な覚え書きを続けます。

和音など、背中から弾く、という感覚のときもあるし、

背中で腕を支えながら連打をする

背中で腕を左右に運び、指の根元が落ちないようにしながら細かいパッセージを弾く

という感覚もあります。それらを総称して「背中から弾く」という感じかもしれません。

(背中が使えていないと、肩が上がるのかもしれません。あとは、単に腕の脱力ができた、というだけのレベルでも、背中が使えていない場合も多いように思います。)

しかしやはり、それ以前の、前の部分(肘、手首、手や指など)の状態が安定していないと、意識して背中から腕を動かすことはできても、鍵盤に反映することは難しい場合があると思います。また、背中から、を意識していると、腕が固まってきたりするかもしれません。

腕の脱力は大切ですが、下からの支えもとても大事なことなので、場合によって、少し力が入ったかな、と感じたしても、気にしすぎず、今できる最良の状態を色々試して見つけていくしかありません。腕を一本に使えることができないとどうにもなりません。上手く腕が使え、支えができると、指先の細かいパッセージも安定します。バラバラになりにくいからです。また、肘が固まっていると、そこで分断されてしまうので、肘はいつも要注意ですね。

鍵盤の底からなるべく早く離れられるためにも、背中というか、腕全体の使い方については、できたと思わず、ずっと気にしていきたいことです。

そして、大事なことは、「身体の前側でしっかり上体を支えていないと、背中を使うことができない」ということです。前側の支えのことは、自分のわかる範囲、教わった範囲で、皆さんにもいつもお伝えしていることなのですが、その意味が、自分なりにもう一歩大きく納得できてきた気がします。

初心者の話ではなく、ある程度弾けるレベルの場合についてのことになりますが、色々な曲で試してみたところ、両手共に複雑な鍵盤の動き(左右の動きの流れがそれぞれ別)の場合、自分の感覚としては、特に左手が、指や手だけで弾いてしまうことになりやすい気がしました。どこかで固まっていて、その結果、器用にパッセージが弾けている、という感じです。

たとえば、ショパンバラードは、これまで長く弾いているので、「弾く」だけならそれなりに弾けるのですが、この観点で試してみたら、部分的に今一度左右別々に動きを確認し、やり直さなければならないと、愕然としました。ですが、このことは、未来への希望の一歩でもあります。

ピアノのような技術ものは、こうやって弾く、これはこうで、などと言葉で教わって、はいそうですか、とできるようなら、レッスンも練習もいりません。きちんと教わらなければお話になりませんが、どんなに良いことを教わったとしても、自分なりにもがき、努力し、検討を続けていかなければ、演奏を進化させることはできません。

音を並べて曲になった嬉しさ、の、その先を目指すことが、ピアノという楽器本来の特性を生かした学びであることは、確かだと思います。