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漠然としていることは慎重に

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2024年3月26日のブログです。

弾き方を教えてあげることはピアノの教師として大事なことのひとつではありますが、そこはほんとうにデリケートな部分であるとも思います。

不正解というものはありません。

しかし、具体的に確信を持てないことは、慎重に指導しなければなりません.

また、過去の自分を振り返ってみた時、一つの「ある意味良いと信念していること」を教える、もっと言うと徹底させることによって、その周囲にある、いくつかの大切なことを、気づかぬままに犠牲にしてしまっている、ということもあるわけです。

「教師が今良いと信じていること」は、過去に教わって、知ったつもりになっていることです。もしかしたら、さらにその先に大事な何かがあるのかもしれません。教える人間は、本当にそうか?と、いつも自分自身の演奏に疑問を持ちながら取り組んでやっとだと思います。

それを怠ると、生徒のできるできないに目がいってしまい、視野が狭くなってしまうかもしれません。「上から目線」という言葉がありますが、これは、視野の狭さを意味していると思います。教える人間が本当に厳しくしなければならないのは、自分自身に対してであると、最近あらためて思います。

たとえば、わかりやすいのが、指の動かし方にフォーカスし続けることによって、腕や肩が固まるとか、音を個別に聴く耳から抜け出せないとか、そういうこと。この子は弾ける、と思って、どんどん音数の多い曲を弾かせる、というのも過去にはあったかもしれません。「弾ける」ということしか見えていなかった頃です。視野の狭さです。

教師であっても、どんなにその人なりに勉強しても、足りないことは必ずあります。そのことは恐れず、少なくとも、教える側が、自分に足りないこと、知らないことは何か、を、いつも知ろうとし続けることは大事かなと思っています。

過去の自分がその時なりに確信をもっていたことは、精一杯のことでしたから、間違いだった、と言い切るのも違うと思います。

指導者としての人生を振り返った時、明らかに、今見えていることが、一年前とは違う、と、実感できていればそれでいいと思っています。

こんな自分でも、まだまだお役にたてることあると信じて、新年度も演奏についての勉強を深めていきたいと思っております。いつも指導を通して教わることばかりです。

どうぞよろしくお願いいたします。