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どうなりたいか

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2022年5月11日のブログです。

ピアノのレッスンに通うことも、レッスンを通して学んだことを自分で練習することも「どうなりたくてやっているのか」ということを意識しながら続けていくことは大切だと思います。

この、「どうなりたいか」さえ、その時その時、心にしっかりもち、そのなりたいものに近づける学び方でコツコツくじけず歩んでいけば、自然な結果として「以前より弾けるようになる」ことになっていくと思います。言ってしまえば、ステージ目標よりももっと大切なことは、この、「どうなりたいか」があるかどうかだと、私は思います。

自分を振り返ると、ピアノを教えるようになってから特に、「もっとうまくなりたい」と、思って学んできましたし、ずっと練習してきましたが、今思うと、しばらく前までは「上手い」の中身がよくわからずにいた気がします。ステージを重ねて演奏の経験を積んでもわかることではなかったです。

それが、幸運にも良い学びに出会うことができ、時間とともにだんだん耳が開いてきて、心も変わってきて、技術もついてきて、「目ざすもの」が明確になってきました。

生徒さんの側も同じことだと思います。

「ピアノが弾けるようにになりたいから」「もっとうまくなりたいから」「もっと難しい曲が弾けるようになりたいから」

これらの答えは習う側からすぐに出てきそうですが、これでは不十分です。弾けるようになるって、今のその人にとって何を指すのか。初心者で目標のイメージさえつかめない、という場合は、先生に質問してみるのもいいでしょう。

教師の仕事のひとつは、生徒さんの目標のイメージがより明確になっていくように導くことだと思います。明確に、というより、視野を広げるお手伝いというほうがいいのかもしれないですね。

以下は、上級以上の場合特にですが

自分にはまだ見えていないものがある、まだ聴こえていないものがある、それらをいつか感じられるようになりたい、と思いながら、根本的なことに目を向けて変化を恐れず前に進めるか、それとも、今見えている聴こえていると思っているものがすべてだと思ってしまっているかで、将来演奏が飛躍的に進化するか、飛躍的にはならないか、決まる気がします。

ずっと同じ道を、地べたの上を何万キロも走り続けるのと、ある瞬間、ふっと空に飛んで、こんな進み方があるのか、と、感動するぐらいの違いだと思います。たとえそれが、はじめは紙飛行機レベルだったとしても。紙飛行機がスーッと飛んでいく、ああ、空中を進めるんだというような感動。

私が奏法を変えて、あきらめずに歩んできて、いま感じている感覚です。