楽譜を読むことについて
盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」
2022年6月2日のブログです。
楽譜を読む、というのはどういうことかについて。
たとえば設計図や地図をながめるように、「紙の上に書いてあるそれは、最終的にどういう立体になるか、あるいは地図ならば実際の場所はどんな感じなのか」を、視野を広くして瞬時に、あるいは細かく見ながらじっくり、読みとっていく、ということだと思います。
視野を広くして瞬時に、は、初見演奏の場合。
細かく見ながらじっくり、は、練習の場合。この場合ももちろん全体の中での位置づけとしての部分を見ていくわけです。
いずれにしても、楽譜を読む、とは、ある瞬間そこに書かれている、いくつかの、あるいはたくさんの要素を融合させて音にする、というわけですから、その前後の流れも含めて、とらえ方の可能性が多様にある場合もあります。
書かれている情報が少ない場合、たとえば音符とリズムしかなかったとすると、表現はさらに可能性がでてきます。こういう場合、時代背景とか、曲の性格とか、そういった知識的なものを自然に知りたくなりますよね。正解を求めるというより、あくまで、自分が演奏する上での手がかりになるから、勉強したくなるのです。
ごく初歩の場合などは、同じメロディーでも、タイトルを変えてみたら、どんな風に表現できるか、とか、色々遊べます。
伴奏などの場合は、ソロの楽器や歌のパートも一緒に見ていきます。
音符が読める、リズム打ちができる、という基本を積み重ねることは大切ですが、楽譜を読む、ということは、音符とリズムがわかればいい、という単純なことではないですね。音符もリズム表記も、あくまで楽譜を構成するメインの要素である、というだけです。
「譜面」を「読む」ということの本当の意味と、それをピアノ演奏で表すときにどういう技術を使えば、多様な表現のコントロールができるか、というこの二つを切り離して考えることはできないなあと、レッスンにおいても練習においてもつくづく思うこの頃です。
技術を軽視?してしまう場合、譜面を読むというより、音符を並べる、という感覚で演奏してしまっている場合のように思われます。
その状態でも、自分で満足できていればいいですが、表面的に強弱を多少つけるぐらいしかできないので、曲の難易度が上がると問題がでてきたりします。
私の場合になりますが、良い技術を追求していく中で、今更ながら、楽譜を読むということの面白さを発見している気がいたします。
どのように楽譜を見ているか、は、どのように弾いているかに表れる、ともいえますね、
耳で音楽を覚えて演奏することも悪くはないですが、やはり、作曲者の意図、楽譜を読み取るという面白さも実感できるようになるのが、クラシックピアノの醍醐味ではないでしょうか。