1. HOME
  2. ブログ
  3. 緊張について

緊張について

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2021年6月2日のブログです。

緊張する、という感覚についてですが

ひとつの面として、潜在意識が「危機的状況」と認知している場合引きおこるといえるのではないでしょうか。

客観的にみての危機的状況ではなく、あくまでその人の潜在意識がそう認知してしまっているわけです。

ですから、たとえば人前で演奏する場合を想定したとき、他人が「リラックスだよ」「楽しめば良いよ」と言ったところで、あるいは自分自身にそう言い聞かせたところで、根本的にはどうしようもないものだと思います。

私自身、この奏法に移行する前、それもいくらかの昔、には、演奏しようとして手が震える、という経験もあります。同じような人は、おられると思います。(ちょっと話はそれますが、この奏法に移行してからは、手だけが単独で震える、ということはそもそも起こりづらいとわかりました)

話を戻します。

メンタルトレーニング、などもよく耳にします。おそらく、効果があるのでしょう。でも、私自身は、できるだけ緊張せず人前で弾きたい、と長年考えているとき、精神で何とかしようと思ったことはありませんでした。この緊張をもちながら演奏できる方法があるはずだ、ピアノの操作の仕方に問題があるはずだ、と、確信していたので、何かを改善するために時間を使うとしたら、弾き方の研究しかない、と思いながら、現在に至ります。

・・・自信を持て、ともよく聞きますよね。根拠のない自信を持てることは、生きる上では大事かもしれませんけれど、演奏の場合、自信の根拠があった方がいいと思います。特に大人の場合。自分をだますように自信を持とう、ではなくて「今の自分がこれまででは一番良い音になっているはずだ」という事実が、自信の根拠になってくれます。これは気のせいなどではなく、弾き方をよく検討し、手の安定、ピアノとの関わり方が多少なりとも安定してくれば、自分なりに感じられてくることだと思います。(誰かと比べているうちは、永遠に自信などもてません。それだけは今すぐやめましょう。)

・・・私なりの自信を持てている状態というのは「ミスなどしても怖くない」と感じられている状態ともいえます。そのためには、やはり、自分の音そのものにいつも意識がなければ難しいと思います。

ある意味、どんなに練習したって不十分なわけです。また、人前で緊張もしないようなら、その演奏には、人を惹きつける力も薄くなるのかもしれません。緊張には、プラスの作用がたくさんあることを知っています。

普段の「緊張した練習」(これを集中と言いますが)が大事。そう思います。なんとなく曲を弾くだけの練習、音符にとらわれた練習、耳がさぼっている練習・・・そうならないよう、日々頑張っていきましょう。

そして、本番、自分としてうまくいこうがいくまいが、持っている実力というものは、案外まるごと伝わってしまっているものです。その日の出来によって左右されるレベルの評価など、しょせんたいしたことではない、そう思い、うまくいってもいかなくも、手綱をしめて精進していきましょう。