手の使いかた
盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」
2022年9月17日のブログです
あまり小さなうちに、指の独立ばかりを促すのは、良いことに思いません。手の甲に力を入れて突っ張らせながらよいしょよいしょと弾いていくことは、癖になる可能性があります。本当に小さいうちは、その子の様子に合わせて、弾くことを楽しんでいるようならまずは好きなようにのびのび弾いてもらいますが、手の使い方を伝えるタイミングは、いつも気にかけております。
基本的には、頑張って指を動かすのではなく、手をどのように鍵盤に置いていくかということと、指が鍵盤に入ったら、浮力を感じながら鍵盤の出口にむかう、という考え方で、ゆっくり進めています。一音をどう扱うか、二音をどうつなげるか、は、とにかく基本です。そこをきちんと伝えられたら、あとは、ポジションが変わったらどうしていくか、縦に、横に、音の数が増えたらどうしていくか、と、発展していくだけです。
最近は、手と手首の状態、1の指の状態などを客観的に見てもらうことをするために、様々な場面の手の状態を写真に撮り、本人のもの、他の生徒さんのもの、と、レッスンのなかで時々見せたりしています。
動画より、いくつかの静止画のほうが良いと思ったのは、止まっている状態の連続を意識してほしいと思ったからです。効果はあるようです。
手の動きの観察、そして、身体全体をつなげて感じることに意識を向けること、音の入り口や出口に耳の意識を向ける、鍵盤の動きと響きとの関係に注目する、そういったことをちゃんと伝えていきたいです。地道な繰り返しだけれども、そう感じさせないようにレッスンの工夫をしています。一見、普通に無理なくテキストをすすめていますが、こちらが伝えたい大切な観点をあきらめずにもってレッスンしていると、生徒さんにはじわじわと伝わっているのだなあと感じる場面が度々あり、嬉しい限り。
じわじわ伝わったことは、期待しない時に成果となって見えたりするものです。
私のすべきことは、もっともっと自分の耳の精度を上げること。これにつきます。練習もそのためにしている、という感じです。気づくと、何か意識がまた変化しつつあるように感じます。
練習やレッスンが嫌じゃない、と言ってもらえるのは本当にうれしい。
レッスンが楽しい、という言葉もたくさんいただきますが、忙しい日常の中でピアノの練習をするのは、面倒な時も多いはず。でも、いやじゃないんだ、というのは、私にとっては、一番うれしい言葉かな。。
そんなに張り切らなくていいから、上手じゃなくてもいいから、誰かにほめられなくてもいいから、ただゆっくりと、教えられたことを「いやじゃない」ぐらいの気持ちで、積み重ねていってほしいです!
発表会、来年はやろうと思ってます・・・生徒さんにとって無理なく。でもやっぱり何か企画したいかな・・・久しぶりなので、今の感覚でゆっくり考えてみたいと思います。