目標のこと
盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」
2023年11月15日のブログです。
目標というものについて、最近はっきり感じることがあります。
目標達成とは「きっかけ作り」であるということ。
どんなに壮大な目標であっても、些細に見える小さな目標であっても、同じだということ。
いつまでたっても、目標達成は、きっかけ作りであるということにすぎません。
そのことをわかった上で、目標について考えていく、ということは大事だと思います。
これはピアノに限ったことではないのですが、ここはピアノ教室ですので、わかりやすいところで発表会での演奏を目標にすえたとします。本番の演奏どうのこうの以前に、この目標に向かう練習での取り組みを通じて、生徒さまに何のきっかけにしてほしいか、ということをできるだけ伝えるようにしています。一番大事なところだと思うのです。
繰り返しになりますが、本番を通じて何を得るか、ではなく、「本番を目標に据えて時間を過ごしていくことによって、それがその後の何のきっかけになるか」ということ。目標に据える時間は、本番での演奏も含んでのことになります。
教師側は、取り組みの過程において、今やっていることが何につながってほしいか、できる限り言語化に努めます。それは、生徒さまによって、少しずつ違ったりするものです。
発表会に限らず、演奏というものは、終えた後、何らかの感情が伴うものですが、それは、一過性のものであり、コンクールなどでの他人からの評価さえ、通り過ぎれば一瞬でただの過去です。しかし、日々の練習や取り組みの時間は膨大です。この、目標に向かう時間の在り方がすべてかな、と思います。
少なくとも、表面的には平和で恵まれている今の日本においてのピアノは、表面的にさらさらと練習したり発表したりで時間が過ぎているものかもしれませんが、こどもたちにおいては、人生で貴重な「子供」という時間に、ピアノを通してどうなってほしいか、ということは、いつも私自身の心にあるような気がします。
「感性豊かで、良い意味で図々しく、たくましい人間になってください」
ということ。
その上で、「ピアノってね、あなたが演奏すると、もうそれは素晴らしい芸術なんだよ」ということを、伝え続けたいです。人の顔色をうかがったり、媚びたり評価を気にするという心は、芸術になりづらい。自分の心が解放されて、感謝で満たされていなくては難しいです。恐ろしいほど、音楽は正直なものだから。
音楽は、生きていくうえでたくさんの力を貸してくれているように思うこの頃です。これといった目標など持たなくても、本当は、たくさんの達成ときっかけ作りを繰り返しているんですよね、みんな。