聴けども・・・
盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」
2021年6月1日のブログです。
プレトニョフのチャイコフスキー小品を聴いています。このCDは、だいぶ昔、生徒に指導するために手に入れたものの一つだったかもしれません。
音楽は浴びるものだ、ということを実感します。
しかし、その昔の自分は、歌いまわしはどうか、間の取り方はどうか、強弱のあらわし方は、というような聴き方をしていたように思います。このCDだけではなく。
どんなに物々しい素振りでも、音が「ごん」とでてくるのと、そうではないのは、奏者の実力はもとより、どうやって弾いているかによる、と知ってから、こうかなこうかなと自分が楽器と対峙してきて、気づかないうちに色々な感覚が変わってきているのかもしれません。
「きけどもきこえず」
という言葉がありますが
「聴けども浴びれず」
になっているとしたら、皮肉なことだと感じます。この場合、心がそこにないから、ではなく「余計な意識がありすぎるから」ということになるのかもしれませんが。
自分の演奏だけではなく、聴く耳が変わってくることは、指導者としても本当にありがたいことです。