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目的と結果

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2022年4月20日のブログです。

ピアノを習って、ピアノが弾けるようになることは、「自然な結果」でありたいと、いつも思います。

「目的」を、強く持ってしまうと、いつもその目的を意識した言動、行動になります。あまり良いことに思いません。

わかりやすい例えで言うと、「発表会」「コンクール」を目的にして、そのために練習させる、する、という場合。その練習の最中は、常に「その日という目的」が意識にあります。本人も周りも。だから、どこかでつじつまを合わせるために仕方なく頑張るということもでてくるかもしれません。

それはそれで力がつく、という考えももちろん肯定します。頑張ってよかった、ということはもちろんあると思います。

でも本当は、ピアノを学ぶ楽しさは、特別な何かの目的の場所に出ることではない、もっと日常の練習、レッスンのなかにまんべんなくあるものなんだということを、実感してほしいと願うわけです。

イベント否定はしません。ですが、自然な流れの中で学び、ささやかでもしっかりした演奏力がつき、自然にできることを土台に「誰かに聴いて頂きたい」と思えるまでは、じっくり練習したり、レッスンを繰り返したり、その方が近道だと思います。

基本をすっ飛ばして、とにかく人前で一曲披露するために頑張る、この状態は、長い目で見たどうかな、という気はします。ピアノを習うことは、人生通しての財産になってほしいと願います。

初歩の段階はとても大切です。無理なくレッスンが軌道に乗り、自発的に学ぶ姿勢が育つのは、音楽の才能というより、その子どもさんの成長そのものと無関係ではありません。本当に、人それぞれの時間がかかるものです。

そんな時「目的」を意識しすぎると、焦りにもつながるし、下手すると周りと比べることになりかねません。

楽しく学び続けた結果として、ステージで素敵な演奏ができるならそれもいいし、出たくないならわざわざ出ていかなくてもいいと思います。何か、思い込みというか、ピアノを弾くからには発表しなければ、みたいな風潮はある気がします。度胸がつく、自信がつく、などは、また別な要素。発表は、押し付けるものではないと思います。

本来、音楽は、自分自身が向き合うものであり、それこそ、向き合い続けた結果として、自分の音楽を発信したい、誰かのために弾きたい、という流れで結果として披露に至るものでありたいと思います。そんな風に導いていけたらなと思います。

自分自身がちゃんと音と向き合えていないのに、聴衆を意識して失敗しないためにひたすらに練習する、ということだって実際ないとは言えないと思います。ですから、諸々慎重にしていかなければならないと思います。

良い学びが重ねられていくことを願って取り組んでいます。生徒のみならず、私自身も同じです。