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たいせつなこと

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2022年2月20日のブログです。

教える上で、特に気をつけていることを書きます。

結論を言うと、身体が固まらないように、肩が固まらないように、肘が固まらないように、というようなところを、まず一番に見ていくという感じでしょうか。

指を動かそうとして、身体が固まっていることを見逃していって、さんざんたって難しい曲を弾くようになってから「肩の力を抜きましょう」というのは酷なことで、なぜなら、指先優先に弾き込んでいった結果だからです。どうやって指までエネルギーを到達させるか、ではなく、まず指先をどう動かすか、ということだけ延々やっていくのは気をつけないといけないです。脱力という言葉も、安易に使うのはどうかと思います。言葉は難しいです。

結局、答えは弾き心地と演奏そのものにあるだけです。私がこどもにも曲を弾いて見せるのは、そのためです。

人間、自分が本当にできていることしか本当には見抜けないので、先生も修行し続けなければいけないわけですね。ちょっとピアノが弾ければ表面的にはいくらでも教えられますが、このような部分は、奥が深く、日々新しい気づきを祈るような気持ちでピアノに向かってしまいます。「もうわかっている」とさえ思わなければ、そして練習を怠らなければ、気づきを得られていくと信じています。

やさしい曲だとどうやってもとりあえず弾けてしまうので、慎重に問題点を見ていくことですね。生徒さまの勉強が軌道に乗ったら、指摘をふまえ、次に進んでいってもいいと思います。できるだけ多くの曲の譜読みをすることは、将来上手くなりたかったら避けて通れないですから。問題点に気づかず教材を進めていくのは論外ですが、そうでなければ、次々進めていく潔さ?も、大事だと感じます。いつでも戻って学ぶことはできますから。

また、幼児の場合、指のサイズとピアノの鍵盤のサイズは合っていません。

それでも、自然にうまく身体を使って弾いたり、ピアノへの興味関心から、とにかくやってみたい!という気持ちでどんどん弾いていける幼児はいるでしょう。その場合はまあいいとして、なかなかうまくいかない、そもそも楽譜通りに弾くことに関心が向かない、という場合、ある意味それは幼児として自然なことだと思うので、少なくとも小学校に上がる頃までは、決して先を急がないことが大事だと思います。

指を動かすことを頑張ってはいけないと思います。それと、指は内側にしか使わない、という普段の手の状態を観察してみることも大事です。ピアノを弾く時だけ、別な生き物になるのではありません。普段の使い方、プラス、鍛えていかなければならないところはありますが、それは、指を無理やり動かすことではない、ということだけ、いつもお伝えしています。

私自身、何十年も違うやり方でやってきたのちに現在の奏法に変え、今、このようにこれまでで最も良い演奏ができているというのは、一つの証明だと思い、時間があるとき、レッスン後などに生徒さまに音や演奏を聴いて頂く時間をこまめに持つようにしています。私自身の勉強にもなっています。

幼児は、まずは一本指からがいいと思います。

ただ、一本の指で弾きながら、そこからつながっている手のひら、手首、腕、肩・・・といった全身のつながりを感じることはちゃんと指導します。案外スムーズにいかなかったりもします。何か、肘で固まったりいろいろあるんですよね。ふざけて遊び弾きをしている子が、一番良い動きをしていたりもします。

正解は何だろう、という、真面目?な精神が、動きを固めてしまうということは、あるように思います。

性質というのは一長一短です。幼児の場合は特に、その子の長所に合った部分をまず伸ばせるようにと心がけていますので、進度や教材もまちまちですが、おかげで私自身が学ばせてもらっているという実感です。ありがたいことです。

・・・指は末端であるということがピアノ演奏において「実感として」わかっていれば、指は最後だということを、指導の中で自然に伝えられていきます。教える側の気づきは色々ありますが、自分自身のピアノとの関わりの中でしか得られないことは、たくさんあると感じます。それこそが、教える上で最も大切な部分だと、今の私は思っています。