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変わる感覚

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2024年3月5日のブログです。

ついこの間まで、「ある程度弾けること」が目標だった気がします。ショパンのエチュード他ショパンの作品や、ラフマニノフの音の絵、そして「コンサート映えしそうな曲たち」といったものをせっせとさらい、もちろん、曲は限られますが、いつでもそこそこに弾けるようになってきた手ごたえを感じていたりもしました。それはそれで、勉強の成果に違いないのですが、いま、そういうことは、いったんもういいや、と、思えるようになりました。

脱力も、身体の使い方も、そこそこ身に付いてきた気がしていましたが、根本的にもう一度やり直してみようと。

何事もそうだと思いますが、どこかで「自己流どまり」になってしまうものです。それは仕方ないこと。先生だって、限られた事情の中でレッスンを受けたり学んだりしていくわけですから。今ここで言う「自己流」というのは、「適当」という意味ではなく「その人らしさ」という意味のようなものです。間違っているとか、ダメとかではありません。でもやっぱり、改良の余地はたくさんあるのです。

なんだか、私なりに、今の演奏から脱出したいという願いがじわじわ沸いてきています。

弾けて満足、という段階を越えたのかな。だとしたら嬉しいことです。

この間までは、そろそろYouTubeに動画を色々載せようかな、など、レパートリーを並べていたのですが、ある意味で、気持ちがとても前向きになり、基礎の基礎、を、しばらくじっくりやっていこうと思います。

動画やコンサートなどは、やらなくちゃ、と、いつも頭の中にあるのですが、何事もタイミングというものがあるのだろう、と、自分の感覚に素直に従ってみたいと思います。

昔残したカプースチンの動画もいくつかあるのですが、今みると音や弾き方が気に入らないので、ある意味良く弾けているのだけれど、非公開にしています。

難曲を好む傾向に合った自分が、変わりつつあります。

ピアノが弾ける、ということは、「曲を弾く」「どんどん指が動くようになる」という表面的な部分が目立ちますが、本当は、その前の段階に大事なことがたくさんあります。色々な考え方があると思いますが、特に技術面において何が大事か、を、更新し続けるのが、教える人間としての責任かなとも思います。

生徒さんに対しては、その方の望むものをできるだけ提供してあげられるように心を向けつつ、自分が大事だと感じることを更新しながらお伝えしていきたいと思います。

焦らず、ピアノに向かっていきたいと思います。