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ゆっくりつなげる

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2022年2月17日のブログです。

ゆっくり弾く、というのはよく言われていますが、これだけだと、鍵盤で音を出すタイミングの間をあける、という意味合いにもなってしまいます。鍵盤に指を落としてしまっていては、音が出たあとに、もうすることがないので、悪い言い方をすると「暇な練習」になってしまいます。変に指を動かしてしまうかもしれません。

本番で音のミスをしない、というだけのために、ひたすらゆっくり弾いたとしても、本当の表現につながる技術にはつながらないと思います。

手や身体、そして耳の使い方は、本当に重要です!

ゆっくりすべてをつなげる、という感覚。これを意味して、必要な練習が「ゆっくり弾く」ことなのだと思います。

この頃ようやく、このことが私なりに納得できてきました。ようやくです。そんなものです。

実践しなければわからないことだらけです。

ものを教える人間は、半分は自分を信じ、半分は自分を常に疑うという姿勢が必要。

これでいいということはないから。

尊敬できる人は、皆、そういうあり方をなさっているように感じます。

・・・初歩の教材をきちんと使うと、この「ゆっくりつなげる」ということを自然に学ぶことができる。初歩の教材と言っても色々ありますが、目的がきちんとあれば、あとは、使い方次第ということです。

ドレミを当てることができる耳も必要ですが、音のつながりを聴ききれる耳はまた別で、音の出だしばかりを聞いてどんどん音を並べることをしていくと、ピアノの音はこんなものだ、と、脳が覚えてしまい、響きを感じるとか、音をつなげるとか、そういうところからそれていくかもしれないので、教える人間の多角的な視点、良い音を聴かせてあげられることは、大事ですね。

耳を澄ます、という言葉がありますが、耳に意識を集中するというか、そういう感覚と「ゆっくりつなげる」という練習は、セットです。

ちなみに私自身は、4歳ぐらいで、けっこう弾いていたらしく、音符が読めるようになった記憶もないし、苦労した記憶もない。指も良く動くし耳もいいと言われていたらしい。でもそれは、音を当てられる耳。人生も後半になって、現在の学び方に変わり、響きというものを知り、指は落とすものではないことを知り、動かし方の方法を1からやり直し、今、大変幸せにピアノを弾いています。

でも、ここにたどり着けたのもすべて、昔の先生がた、親、そして過去の自分自身のおかげでその時その時があったからだ、ということも、忘れません。これまでの歩みに、無駄なことは一つもなかったと思っています。