表現

盛岡市ピアノ教室「ミチコピアノアカデミー」

2022年6月29日のブログです。

表現、あらわす、ということについて考えてみます。

言葉にしろ、態度にしろ、体裁を整えてあらわすこともあるでしょう。社会の中においては特に。

時に、感情が優先されて、思わずあらわしてしまうこともあるでしょう。

また、相手の話を聞きながら、そこに寄り添い、言葉少なくうなずく、これも、自然に出てくる表現、あらわれです。

音楽を表現するとき、体裁を整えた表現を限定して教えることにならないように、と、この頃思うのです。

音楽の表現のルールや基本はもちろんあります。それはそれとして、ここはこう、という表現を限定するような教え方ではなく、生徒さまが、いつも思いのままに、感じるままにその場その場の、ありのままの表現がかなうための技術だったり知識を蓄えていけるような指導が理想です。だから、あちこちいじりまわして曲を完成させる、という意識はできるだけ持たないようにしています。アドバイスはしますが、どこまで追求するかは、本人の問題ですから。

その曲に色々な表現の可能性がある楽しみ、伸びしろ、そういったものを感じられることもまた、意味があることなんです。完成させることにばかり目を向けると、気づかぬうちに体裁を整えることに力を尽くしていることにもなります。ここ、微妙なところだと思います。

体裁を整えた演奏、というと語弊があるかもしれませんが、綺麗にまとまっている、表情もついている演奏が何となく上手に聴こえるのはたしかです。

しかし、本当の表現、内側から出てくる表現には、一味違う引力が備わる気がします。

楽器から色々な音色を引き出せるようになりたい理由は、本当の意味での表現をしたいため、それだけですね。